私の合う矯正はマウスピース?ワイヤー?

(※)「マウスピース型カスタムメイド矯正装置」について
※完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外になることがあります。(当院ではインビザラインを導入しております)以下、「マウスピース型カスタムメイド矯正装置」は「マウスピース矯正」と置き換えて表記します。

「歯並びが気になっていた」
ずっと矯正をしたかったけどコロナでマスクをするようになったことをキッカケに矯正を始めている人、結構いるんです。
「でも最近よく聞くマウスピース矯正も気になるのよね、実際のころどっちがいいのかしら?」
ワイヤーでの矯正歴30年、マウスピースでの矯正も10年のキャリアがある当院の院長がそのメリットデメリットをお伝えします。

矯正方法、どこがどう違うの?マウスピースvsワイヤー

ワイヤーによる矯正治療 マウスピース法
効果・期間 良い 良い
適応症 全ての歯並びに可能 不可能な歯並びがある
患者さんの協力 自動的に動く 協力が必要
歯みがき ワイヤーの間を丁寧に磨く必要あり 装置を取って、歯みがき・フロスが可能
虫歯の心配 あり(多少) あまりない
来院間隔 1回/1か月 1回/2か月
装置の破損 あり ほとんどない
取り外し 取り外しができない固定式装置 取り外し可能な可撤(かてつ)式装置
※1日20時間以上の装着が必要/食事、歯みがき時は取りはずす
装着に関する注意 自分ですることはない 指定された間隔でマウスピースをご自宅で交換
進捗確認方法 ドクターの経験 PC上で治療計画と比較しながら治療を進める
見た目 ワイヤーの種類を選択可能
①従来のシルバーワイヤー
②見えにくいホワイトワイヤー(下記画像参照)
透明(下記画像参照)③
費用 初期費用には差がありますが、受診回数の違いから全体費用はそれほど変わらなくなります。詳しくはご相談ください。 初期費用には差がありますが、受診回数の違いから全体費用はそれほど変わらなくなります。詳しくはご相談ください。

先生コメント「マウスピースが向いていないケースもあるんです」

今話題のマウスピースでの矯正ですが、向いていないケースもあります。
「どういう種類の歯並びが向いていないの?」
そういう分け方ではありませんが、下記【1】【2】の場合はマウスピース矯正の治療をしていません。
具体的を見ていきましょう。

【1】歯の移動方針を途中で変更する場合

矯正で治すのは、歯の並びだけではありません。
当初下の奥歯を後ろ方向へ移動させる予定だったのを、噛み合わせの問題が生じたために反対(前方向)へ移動させることに変更しようとするケースもあります。

→ワイヤーの場合では即座に変更が可能です。

→マウスピース矯正の場合には即座の方向転換はできません。

方向転換をする場合にはスキャンを取り直し、新しいマウスピース(アライナー)が到着するまで、最低1か月そのまま待たなければなりません。
時間のロスが生じ、それを繰り返すとドツボにはまります。

【2】治療前に治療ゴールの設定が不可能な場合

治療が複雑になることを想定される場合、治療前から最終ゴールを決められない場合があります。
具体的には下記のケースが治療前にゴールを決められないケースです。

●歯を抜歯する必要があるのか?ないのか?が確定できない
●どこの歯を抜くのか?が治療前に決められない

→ワイヤーの場合は、臨機応変に対応し、その都度即座に治療の軌道修正を行えます。
治療前に患者さんに説明しておけば、問題ありません。

→マウスピース矯正の場合は、治療前から最終ゴールを設定する必要がありますので、歯の動きによって後々ゴールを徐々に決めていく症例の場合はとても難しくなります。