ドクターかみやすのブログ

2021年11月24日

美術解剖学とレオナルド・ダヴィンチの話

先月、第85回全国学校歯科保健大会がオンライン形式で開催され、視聴しました。

特別講演では東京芸術大学美術解剖学教授の布施英利先生が“芸術と解剖学の間に”
という題で講演されました。

私にとっては“科学と芸術の関連性”を聞けるとても楽しみな分野です。

先生はレオナルド・ダヴィンチの研究家としても有名で“最後の晩餐”に描かれているキリストと12人の弟子達の手首の返り方に注目されていました。

手首を動かすときには尺骨と橈骨をⅩ状にクロスするが、手を開いたときに親指が内側にある時には回内、親指が外側にある時には回外といい、回内の時に2つの骨はクロスする。“最後の晩餐”では向かって左側の弟子たちは回内、右側の弟子たちは回外の手の動きをして統一され、中央のキリストの左手は回内、右手は回外の手をしている。このような規則性が面白いと話されました。

ダヴィンチは手の回内、回外の解剖デッサンも残しています。

学校歯科活動と直接的に関係する講演ではありませんでしたが、絵画の中に秘められた人の動きを解剖学的に探求できたとても興味深いお話でした。