2020年05月29日
”インビザラインを取り入れて5年経過
マウスピース矯正装置(インビザライン)を取り入れて5年が経ちました。
新型コロナウィルスの感染拡大による非常事態宣言は解除されましたが、暫くの間はウィルスと付き合っていくしかないようですね。
さて今回は私がインビザラインを矯正治療に取り入れ始めて5年が経過しましたので、今の段階での感想を述べたいと思います。
まず、この装置は我々矯正専門医にとって素晴らしい方法だということは間違いありません。今後、さらにその治療可能範囲が拡大していくと予想しています。
しかし、
“インビザラインは魔法の方法でない”
ということを認識していただきたいと思います。
インビザラインは米国の会社で歯並び設計図(クリンチェック)を作成し、それを元に工場でマウスピースを製作後、診療室に届き、患者さんに装着するという順序です。
まず、第一に大切なことは適正な設計図を作成することです。しかしその設計図を立案するのはマウスピース作成会社のコンピューター技師です。ドクターではありません!!!もちろん歯科に関する知識(上下アゴの位置関係や歯周病など治療に関する大切な情報)はありません。
技師が立案した設計図に対して適切な指示を出すのがドクターです。
注意が必要なことは、一見歯がキレイに並んだ設計図でも、全く非現実的な設計図を提示されることがあります。それを認識し、修正できるかは、ドクターの矯正治療に対する知識力です。私の場合、全ての症例において提示してきた設計図を数回にわたり、修正させます。
それでも、治療途中で移動方法を軌道修正することがあります。
ドクターが矯正治療の知識があり、適切な指示を出さなければ、整った歯並び・咬み合わせ設計図は作成できません!適切な矯正治療ができない、ということです。
適切な歯並び設計図作成を指示するのはドクターの知識力!
マウスピース矯正だからといって、
簡単に治ることは決してありません!