2017年08月28日
歯周矯正セミナーに出席
先日、第2回神奈川歯科大学歯周矯正診療連携セミナーに参加しました。
横須賀にある神奈川歯科大学を訪れたのは初めてです。新しい病院が開院ま近かの様です。
驚いたのは横須賀米軍基地の隣に位置しており、日曜日だったため、ガタイの良いTシャツ、短パンの米軍らしき若者が多く見られました。
当日は歯の移動による歯周組織の反応についての詳細が矯正、インプラント、外科、基礎系の広い分野からの話しが聞けました。
その中で私にとって始めて聞く興味深い内容が2つありました。
①顎顔面外科学 小林優先生
“歯に圧下力が働いても負荷は根尖に集中するわけでない。”
歯周囲の歯根膜内線維には“緩み”と“様々な方向への走行性”という特徴があるため、“歯の圧下の際には歯根尖部に集中的に負荷がかかる”という説が常識でしたが、そのようなことはなく、“歯根にかかる力は歯根全体に分散されるため、歯根尖に力が集中することはない!!”ということを発見さました。私達矯正家にとって大きな発見だと驚きました。
②生化学講座 合田征司先生
“細菌感染なしでも咬合性外傷により骨吸収が起こる”
咬合性外傷に対する歯槽骨吸収についての新説です。
今までは歯周囲の歯槽骨吸収は細菌感染が第一条件で、その次に咬合性外傷による非生理的な負荷が生じることにより引き起こるということが定説でした。しかし、先生は若いマウスと高齢のマウスを無菌状態で飼育し、人工的に咬合性外傷を与えた結果、高齢マウスでは歯肉にIL-6が発現し、骨吸収が起こったことを発見しました。若いマウスでは骨吸収は起こりませんでした。これも驚くような従来の説を覆す新説です。
当日は2つも新発見を知ることができ、興奮しながら京浜急行に乗って帰って来ました。